第92章

早朝、高橋遥が目を覚ますと、稲垣栄作の整った顔が間近に見えた。

彼はソファで熟睡し、片手を頭の下に敷き、もう片方の手は高橋遥の腰に強引に置かれていた。男性の手のひらの熱さが肌を焼くようだった……

彼のシャツは乱れ、黒いスラックスは無事だったが、ベルトは外されていた。

高橋遥は自分の姿を確認した。

一応整っていたが、女性の直感が告げていた。下着が脱がされたのだと。そしてソファの隙間に薄くて透けた黒い小さなものが見えた。

彼女の頬が熱くなった。

昨夜、彼女は稲垣栄作と関係を持ったのだ……

そっと体を動かそうとしたが、腰に置かれた手がきゅっと締まり、彼女は再び引き寄せられ、二人の体が...

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